『台所から見える世界』

この世界をかたちづくるのは、政治ではなく
この世界を変えるのは、革命ではありません。
あまりにも日常的すぎて、立ち止まることのなかった選択の数々の行方を
少しだけ想像してみると
そこから見えてくる世界が、あります。

毎日のごはんの材料を買うとき。
一杯のコーヒーを買うとき。
それは、どこで、だれが、どんな風につくったものか?
食べた後のお皿はどうやって洗うか?
恵み頂いた水を、どんなふうに還しているか?
わたしたちはそのとき、物や手段を選んでいるようでいて
実はわたしたち自身の未来を選んでいます。
買うことは、その製法や農法や飼育法や商法を支持していることに他なりません。
安全なのか危険なのか、まだ誰もわかっていないものを身体に入れて
わたしたちは人体実験のサンプルのようだ、という話もささやかれます。
また、楽しい気持ちで、愛しい誰かの為に、何気なく買ったそのお金が
遠いどこかの国で武器にかわったり
かけがえのない森を焼き払ったり
生き物たちを苦しめていることは、よくある話です。

「そんなつもりはなかったのに」
わたしたちをとりまく生活は
驚くほど多くの「そんなつもりじゃなかった」で溢れています。
たくさんの糸(意図)が絡まり合い、
幾重にも重なったフィルターの先はなかなか見えてこないけれど
どんな些細な選択も、必ずどこかに繋がっています。

台所からはじまる旅はどこまでも続いて
そして形を変え再び還ってきます。
わたしに、わたしのこどもたちに、
未来はどんな形で還ってくるのだろう?

「こだわり」や「嗜好」にとどまらず
息をするくらい普通に
「いただきます」のその前と
「ごちそうさま」のその後を想像することができたなら
それはどんな革命よりも確かな一歩。
そのとき、世界は変わっているのかもしれません。

あなたの台所から見える世界を旅してみてください。

さて、どんな世界を夢見ましょうか。
どんな世界と手をつなぎましょうか。

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