馬とはたらく

積み上げられた石垣、地形に沿って作られた段々畑、山の中の炭焼き小屋。
田んぼに張られた清らかな水、そこに映る逆立ちの山々、
水の上から産み出される一陣の風。
蛙の声、蛍の光、トンボで埋まる空。

昔のお百姓さんたちが、明日もまた頑張ろうと思えたのは
日々目の前に広がる風景に美しさがあったからだ、という話を聞きました。
この地へ移住して数年、私を生かしてくれていたのは
かつての人々が築き上げてくれたこの美しい里山の風景に他なりません。

昔から、何年も何年もずっと繰り返されて受け継がれて来た人の手による仕事が
今、少しずつ消えようとしています。
人の手が入らなくなった里山はあっという間に森に還ってしまいます。
そうなれば、そこはもう人の暮らす場所ではなくなってしまう。
気の遠くなるような仕事によって維持されてきた里山の風景を繋ぎ留めたい。
さらには単に昔返りするだけでなく、そこに新しい技術と知恵を加え
わくわくするような懐かしい未来を創造したい。

100年後も300年後も育ち恵みを与えてくれる里、山、川、海。
持続可能な自然の循環には経済優先の現代の価値観では測ることのできない豊かさがあります。
わずか私たちの一代で脈々と受け継がれてきた豊かさを搾取し尽くすようなこのスピードから降りて
長いスパンで物事を考え直す時が来ていると感じます。

働く馬の存在を知った時、その美しさに圧倒されました。
人間と動物の仕事からなる美しい里山の風景。
私たちは、人と馬がはたらく風景を再現し、
はたらくよろこび、先の世代に続く豊かさをを形にしてゆきたいと考えています。

馬の瞳の中に、懐かしい未来が見えます。
馬の力を借りて、未来への旅がはじまります。

46783773_364812927421301_5852128622835400704_n2.jpg

 

広告